核実験と放射能の人類に与えた影響―『ECRR欧州放射線リスク委員会2003年勧告』を読む

●放射能被曝の時代とは?
 現在、毎日の新聞・テレビでは天気予報と同じように、東日本各地の放射線量が報じられている。フクシマの20キロ圏内の放射線量は今でも高いが、福島市や郡山市においても毎日、毎時1マイクロシーベルト前後を記録しており、人の住める環境ではない。筆者の住む東京中野区の放射線量も、手元のガイガーカウンターで毎時0・07~0・12マイクロシーベルトぐらいである。まさに、これは「放射能被曝の時代」とも言うべきだ。
                  
●自然界には存在しなかったセシウム
 ところで、私たちは最近、東京において放射能が存在するのが当たり前のように慣らされるが、この日本全国の放射能汚染は、もともとあったものではない。現在、東京でも測定されているようなセシウム137などは、本来自然界には存在せず、原爆(核実験)や原発の結果生まれたものだ。
 問題は、この自然界に本来存在しないセシウムなどの放射能が、特に1945年のヒロシマ・ナガサキと、それ以後の世界中で行われた核実験の結果生じたそれが、人類にどのような影響を与えたのか―こういう当たり前の疑問を誰も報じていないことだ。
 この疑問に答えているのが、『ECRR欧州放射線リスク委員会2003年勧告』(ブリッセル2003年、美浜大飯・高浜原発に反対する会発行)の小冊子である。このECRRは、欧州議会内の緑グループによって1997年に設立されたものであるが、これはICRP(国際放射線防護委員会)などの国連の機関に対抗して創られた機関である。

●520回の大気圏内核実験
 このECRRの報告の論点は多岐にわたるが、特に特徴的なのは米ソを中心とする大気圏内の核実験がピークを迎えていた1960年前後に、世界中にばらまかれた放射能の影響を詳細に分析していることだ。
 言うまでもなく、1963年に大気圏内の核実験が禁止されるまで、1945年のヒロシマ・ナガサキ以来、地球上では520回の核実験が行われている(現在までの核実験は、地下核実験を入れると2千回以上)。そして、その大半は、アメリカでは、ネバダ砂漠を中心とする地域であり、ソ連ではセミパラチンスク(カザフスタン)を中心とする地域であり、そして、ミクロネシアなどの太平洋である。この戦後の核実験による核爆弾の総量は、3万5千発以上、大気圏内では440メガトンに上ると言われている。

●核実験とガンの増加
 さて、問題はこのような、とりわけ大気圏内での核実験は、人類にどういう影響をもたらしているのか、ということだ。このECRRの報告では、この核実験の影響によって、大気圏内の放射能は1965年にピークに達したということだ。
 具体的には、「1955~65年の期間における北半球での核実験降下物による累積内部被曝線量は、約0・5ミリシーベルトから、ヨーロッパのある地域の1~3ミリシーベルトまでの間で変動」しているという。
 この結果は、1970年代以降の北半球における、女性の乳ガン、男性の前立腺ガン、小児ガンの大幅な増加であった。そしてそれは、この放射能の影響を受けた1960年前後に生まれた「両親の子ども達」に、もっとも高いリスクが現れているという。つまり、その被曝のピークから15~20年に遅れて、もっともガンなどが発症しているという。
 このECRR報告では、具体的に核実験場となったマーシャル諸島住民や合衆国ユタ州住民など各地のガン発生率を数字で示している。また、イギリスにおける核実験の結果による、ガンなどの死亡数をも調査している。

●6160万人の死亡
 さらに、このECRR報告では、1945年以降の原子力事業が引き起こした全ての死者を計算しているが、それによるとガンで死亡したのは6160万人にのぼるとする(ICRPモデルでは約118万人)。その中には、子どもたち160万人、胎児190万人の死亡も含まれている。

 このように、戦後の地球規模で行われた核実験の恐るべき影響がここでは調査・報告されている。この核実験に加えてもちろん、原発の事故が、さらなる被曝を生じさせているのである。
(原発事故などの影響による被曝とガンなどの発生については、「放射線量と健康」というタイトルで、アーネスト・スターングラス博士http://fujiwaratoshikazu.com/2011disaster/を参照)。

●ヒロシマ原爆の168個分の放射能放出
 さて、注意すべきは、こうした核実験による放射能の影響を「過大評価」して、「1960年代には、福島第1原発事故よりも大量の放射能が降りそそいだが、何の影響もなかったという説」である(某東大教授など)。
 確かに、今回の福島第1原発の放射能の放出量は、政府の発表にもあるとおり、ヒロシマ原爆の168個分にもなる。それほど原発は、大量のウランを使用していると言うことだ。しかし、御用学者などが軽視しているのは、この戦後のすさまじい核実験の結果、すでに地球が徹底的に汚染されていると言うことである。
 現在、日本での病死の第一位がガンであることは周知のことだが、これが戦後の核実験の結果であることを、このECRR報告は教えている。

 この意味で、原発と原爆は一つの問題であり、日米の原発開発政策は、同時に核開発政策でもあったと言うことを検証すべき時である。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年10月13日 (木)

山口同志社大教授の福島第1原発事故原因の『本質は技術経営のミス』論についての議論

前田さま

どうも初めまして。前田さんのcmlの投稿、およびご活動にはいつも注目して拝見しています。

さて、今回の山口同志社大教授の「技術経営のミス」論についてですが、cmlは論議の場所ではないということですので、一言だけ付け加えておきたいと思います。

まず、前田さんが下記で述べられている「原発は儲からないから代替エネルギーがいい」などという、経営者などの最近の意見・主張は、脱・反原発運動が広がるためにはひじょうにいいことである、という意見には、僕ももちろん賛成いたします。少し違いますが、ソフトバンクの孫正義さんなどの意見もそのひとつかもしれません。

ただ、今回の山口さんは、肩書きの通り、経営者ではありませんし、福知山事故では、「JRの経営ミス」追及で、一定の役割を果たしたと思われる学者です。おそらく、日本の技術論の事故分野では「専門家」の重要な一人でしょう。

問題は、こういう「専門家」という人たちが、今回の福島第1原発事故を「技術経営ミス」だけに切り縮めようとしていることだと思います。もちろん、お断りしておきますが、僕は、「技術経営のミス」という重大な問題についても、東電などの刑事責任追及の重要な在り方として、重要な論点の一つだと思います(広瀬さんたちの刑事告発も
含めて)。

ただ、山口さんの主張は、インタビューに明らかなとおり、今回の事故を「海水注入の遅れによる経営判断ミス」(廃炉回避という経営判断)というところに絞っておられると思います。

今回の福島第1原発の事故原因については、いろいろな観点から事故原因の解明が必要でしょうし、まだわからない側面もあると思います。しかし、今のところ判明しているのは、この「海水注入の遅れ」だけでなく、例えば、フクシマ福島第1原発に設置されている「マーク1」という原子炉は、1970年代にその設計者であるGEの技術者から欠陥品であるという告発もあり、また、80年代には、米原子力委員会自体がその脆弱性について報告書を出していたことが明らかになっています(日本には報告せず、若干の改良を促しただけ)。

こういう、マーク1という欠陥原子炉を導入した東電・政府の在り方を広く「技術経営のミス」として言うならば、その主張の是認もある程度は言えるでしょう。もちろん、このマーク1型の原子炉だけが欠陥品であるだけでなく、もっと広い意味ではすべての原子炉自体が「欠陥品」であるわけですがー。

ところが、山口さんは、やはり、福島第1原発事故を狭い意味の「技術経営のミス」に切り縮めようとしていると思います。こういう「専門家」の主張が広がれば、「福島第1原発だけがダメだった」論だけが一人歩きしていく可能性は充分あると思います。
政府、とりわけ野田政権の、既存原発稼働推進路線は、この主張にそっていると言えるのではないでしょうか? (まさに野田首相の国連演説・ベトナムへの輸出路線などもそう言えます)。

いずれにしても、今後の脱・反原発運動の社会的広がりを創り、こういう政府の在り方と対峙して行くには、幅広い、それこそ経営者らを巻き込む運動が必要なことは、前田さんが言われるとおりだと思います。
そのためにも、以上のような問題のある主張には、しっかりとした「紳士的な」批判が必要だと思います。
どうぞご検討下さい。

(特に、僕は、いま従来の反原発運動の中の一部で主張されている「フクシマの山林・田畑への除染ボランティアに行くべき」論、「60歳以上の人たちによる福島原発暴発阻止行動隊の参加」論などへの、批判がまったくないことを危惧しています)。

> 前田 朗です。
>
> 10月12日
>
> 小西さん
>
> すべての経営者に「人類は原発を制御できない」と確信させる運動をしなくて
> はならないのでしょうか?
>
> 「原発は儲からない。技術経営のミスでいったん事故を起こしたら補償・賠償
> で会社がつぶれる。だから原発をやめて、リスクが少なくて儲かりそうな自然エ
> ネルギーにしよう」という経営者は、ダメですか? 多くの経 営者にそう考え
> させるのはダメですか? 
>
> このところTVに出て代替エネルギーを論じている論客の中には自社開発の代
> 替エネルギー技術の宣伝販売をしているネオリベ脱原発派がいますが、これはダ
> メですか?
>
> 脱原発、非原発ならネオリベでもいい、とにかく今は味方につけたい、と思う
> 私は堕落しているのでしょうか?
>
>
>> 東本さん 岩下さん
>>
>> 僕もその紹介記事を読んで以下のようにツィッターに投稿しました(文字制限
>> の中で)。
>>
>> 「shakai_konishi 小西誠 @
>> @Beatrice1600 山口同志社大教授の『本質は技術経営のミス』論は、東電・政
>> 府の刑事責任追及という意味では意義がある。だが福1原発大事故を「技術経
>> 営のミス」と言うだ けでは、原発自体の是認になる。人類は原発を根本的に
>> 制御出来ないのだ。nkbp.jp/oCaaOH」
>>
>> 社会批評社・小西誠

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年9月21日 (水)

私たちは今、静かに怒りを燃やす東北の鬼です。

9・19  さようなら原発5万人集会での「ハイロアクション福島」・武藤類
子さんのスピーチです。

++++++++++++++++
 みなさんこんにちは。福島から参りました。

 今日は、福島県内から、また、避難先から何台ものバスを連ねて、たくさん
の仲間と一緒に参りました。初めて集会やデモに参加する人もたくさんいます。
福島で起きた原発事故の悲しみを伝えよう、私たちこそが原発いらないの声を
あげようと、声をかけ合いさそい合ってこの集会にやってきました。
 はじめに申し上げたい事があります。

 3.11からの大変な毎日を、命を守るためにあらゆる事に取り組んできた
みなさんひとりひとりを、深く尊敬いたします。

 それから、福島県民に温かい手を差し伸べ、つながり、様々な支援をしてく
ださった方々にお礼を申し上げます。ありがとうございます。

 そして、この事故によって、大きな荷物を背負わせることになってしまった
子供たち、若い人々に、このような現実を作ってしまった世代として、心から
あやまりたいと思います。本当にごめんなさい。

 皆さん、福島はとても美しいところです。東に紺碧の太平洋を臨む浜通り。
桃・梨・りんごと、くだものの宝庫中通り。猪苗代湖と磐梯山のまわりには黄
金色の稲穂が垂れる会津平野。そのむこうを深い山々がふちどっています。山
は青く、水は清らかな私たちのふるさとです。

 3.11・原発事故を境に、その風景に、目には見えない放射能が降りそそ
ぎ、私たちはヒバクシャとなりました。

 大混乱の中で、私たちには様々なことが起こりました。

 すばやく張りめぐらされた安全キャンペーンと不安のはざまで、引き裂かれ
ていく人と人とのつながり。地域で、職場で、学校で、家庭の中で、どれだけ
の人々が悩み悲しんだことでしょう。 毎日、毎日、否応無くせまられる決断。
逃げる、逃げない?食べる、食べない?洗濯物を外に干す、干さない?子ども
にマスクをさせる、させない?畑をたがやす、たがやさない?なにかに物申す、
だまる?様々な苦渋の選択がありました。

 そして、今。半年という月日の中で、次第に鮮明になってきたことは、

 ・真実は隠されるのだ

 ・国は国民を守らないのだ

 ・事故はいまだに終わらないのだ

 ・福島県民は核の実験材料にされるのだ

 ・ばくだいな放射性のゴミは残るのだ

 ・大きな犠牲の上になお、原発を推進しようとする勢力があるのだ

 ・私たちは棄てられたのだ

 私たちは疲れとやりきれない悲しみに深いため息をつきます。

 でも口をついて出てくる言葉は、「私たちをばかにするな」「私たちの命を
奪うな」です。

 福島県民は今、怒りと悲しみの中から静かに立ち上がっています。

 ・子どもたちを守ろうと、母親が父親が、おばあちゃんがおじいちゃんが・
・・

 ・自分たちの未来を奪われまいと若い世代が・・・

 ・大量の被曝にさらされながら、事故処理にたずさわる原発従事者を助けよ
うと、労働者たちが・・・

 ・土を汚された絶望の中から農民たちが・・・

 ・放射能によるあらたな差別と分断を生むまいと、障がいを持った人々が・
・・

 ・ひとりひとりの市民が・・・ 国と東電の責任を問い続けています。そし
て、原発はもういらないと声をあげています。

 私たちは今、静かに怒りを燃やす東北の鬼です。

 私たち福島県民は、故郷を離れる者も、福島の地にとどまり生きる者も、苦
悩と責任と希望を分かち合い、支えあって生きていこうと思っています。私た
ちとつながってください。私たちが起こしているアクションに注目してくださ
い。政府交渉、疎開裁判、避難、保養、除染、測定、原発・放射能についての
学び。そして、どこにでも出かけ、福島を語ります。今日は遠くニューヨーク
でスピーチをしている仲間もいます。思いつく限りのあらゆることに取り組ん
でいます。私たちを助けてください。どうか福島を忘れないでください。

 もうひとつ、お話したいことがあります。

 それは私たち自身の生き方・暮らし方です。 私たちは、なにげなく差し込
むコンセントのむこう側の世界を、想像しなければなりません。便利さや発展
が、差別と犠牲の上に成り立っている事に思いをはせなければなりません。原
発はその向こうにあるのです。 人類は、地球に生きるただ一種類の生き物に
すぎません。自らの種族の未来を奪う生き物がほかにいるでしょうか。 私は
この地球という美しい星と調和したまっとうな生き物として生きたいです。 
ささやかでも、エネルギーを大事に使い、工夫に満ちた、豊かで創造的な暮ら
しを紡いでいきたいです。

 どうしたら原発と対極にある新しい世界を作っていけるのか。誰にも明確な
答えはわかりません。できうることは、誰かが決めた事に従うのではなく、ひ
とりひとりが、本当に本当に本気で、自分の頭で考え、確かに目を見開き、自
分ができることを決断し、行動することだと思うのです。ひとりひとりにその
力があることを思いだしましょう。

 私たちは誰でも変わる勇気を持っています。奪われてきた自信を取り戻しま
しょう。 そして、つながること。原発をなお進めようとする力が、垂直にそ
びえる壁ならば、限りなく横にひろがり、つながり続けていくことが、私たち
の力です。

 たったいま、隣にいる人と、そっと手をつないでみてください。見つめあい、
互いのつらさを聞きあいましょう。怒りと涙を許しあいましょう。今つないで
いるその手のぬくもりを、日本中に、世界中に広げていきましょう。
私たちひとりひとりの、背負っていかなくてはならない荷物が途方もなく重く、
道のりがどんなに過酷であっても、目をそらさずに支えあい、軽やかにほがら
かに生き延びていきましょう。
Tags:#さよなら原発#ハイロアクション#武藤

(市民運動メーリングリスト・CMLの投稿から引用)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年3月30日 (水)

東北関東大震災と自衛隊の災害派遣

この記事に写真を下に追加しました。写真は、福島第1原発のJヴィレッジに待機している自衛隊の装甲車です。(2000年9月24日)

大震災の被害を見ていると、東北三陸地方の街々は、まさしくあの1945年の大空襲のような被害で、本当に痛ましい。このひどい、厳しい状況を被災者の方々は一日でも早く乗り越えてほしい。また、そのためには、もっともっと適切かつ必要な支援が、力ある限り求められる。

だが、この大震災救援にかこつけて、とんでもない事態が進行していることも、見過ごすわけにはいかない。かりに「震災救援」にかこつけて何でも許されるとしたら、今後の日本はとんでもない方向に行きかねないだろう。

そのどさくさ紛れで進行している一つが、ついに2~3日前に決定し、昨日あたり到着した、イスラエル軍の震災救援隊の派遣である。これはメディアによれば、「イスラエル軍によると、医師は内科や耳鼻科、小児科、婦人科などで、軍の部隊として編成」という、紛れもない軍の部隊派遣だ。

言うまでもないが、この震災救援で派遣されている外国軍は、米軍をのぞいていない。米軍の派遣も、どさくさ紛れであり(例の沖縄差別発言の取り戻し)、許されるものではないが、イスラエル軍の派遣は、どうしても許容できない。

われわれは、あのガザへのイスラエル軍の痛ましい無差別爆撃をもう忘れたのか。西岸地区への巨大な隔離壁をつくっているパレスチナ占領を忘れたたのか。そうではないだろう。大震災の大被害にかこつけたイスラエルの派遣要請―イスラエルのパレスチナ占領の認知を―日本政府とメディアが無批判的に受け入れたのだ。

大震災を口実に何でも許されるわけではない。自衛隊の「がれき撤去」を口実にした福島原発への戦車派遣もそうであり(原発建屋へのへりからの海水投下も同様、自衛隊消防車の派遣も同様)、必要もない自衛隊の派遣が目立つ。

もともと、戦後60年近く自衛隊にとって、災害派遣は「余技」と言われ、あまりやりたくないものと言われていた。もちろん、自衛隊の「本務」からもはずされていた。ところが、阪神大震災をきっかけに災害派遣の重要性が高まり、その後、度重なる議論を経て、ようやく災害派遣が「本務」となったのだ。

しかし、考えてみると、本当の自衛隊の有用性は、災害派遣以外にはないことが、この創設以来の歴史の中で、歴然として明らかだ。とくに、今日の日本や世界の大災害の頻発の中ではその必要性が高まりつつある。当の自衛隊員自身も、災害派遣に一番意義を感じるだろう。自衛隊は、この大震災をきっかけに、思い切って「戦争型の装備」を削減し、「災害派遣型の装備」に転換すべきではないか。

「北朝鮮脅威論・中国脅威論」や「南西重視戦略」などという、とんでもない政策を破棄し、ここで思い切って、災害派遣部隊として、大転換すべきである。

『自衛隊そのトランスメーション』(社会批評社刊)http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/70-0.htm

Photo

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2010年9月22日 (水)

沖縄への陸自兵力の大増強に反対しよう

琉球新報の社説で、驚くべき事が報道されている。陸自の沖縄への約2万人の

増強である。この間、自衛隊は、南西重視戦略を採ってきたが、これほどの増強が実行されるとすると、文字通り、菅政権による「対中新冷戦戦略」の発動だ。

今年12月には、島嶼上陸のための陸自方面隊実動演習が、予定されている。これと合わせると、この沖縄増強の意味は明らかだ。

下記の、琉球新報の社説を参照に。

社説 RSSicon

陸自2万人配備 文民統制の根幹問われる2010年9月22日 
このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーを含む delicious Yahoo!ブックマークに登録

 防衛省は、陸上自衛隊の定員を現在の15万5千人から1万3千人も増やし、宮古島以西への部隊配備を視野に入れ、南西諸島を含めて2万人に増やすことを検討している。現在の沖縄本島の2千人規模の駐留を約10倍にする計画だ。
 なぜこの時期なのか。尖閣諸島の領有権をめぐって高まる中国との関係悪化を背景とする防衛力強化を狙いたいようだが、外交による日中間の懸案改善を二の次にして部隊規模拡大が先走る乱暴な議論だ。
 沖縄周辺に新たな緊張を生み出すことは不可避であり、外交による平和構築を放棄したとも取れる軍備拡大は撤回すべきだ。
 陸自の増員は沖縄が本土に復帰した1972年の千人が最後で、当時の18万人以来、隊員数は減り続けてきた。今回の大幅増強構想は、定員削減圧力にさらされる陸上幕僚監部の意向が強く働いている。制服組の組織防衛丸出しの独走に歯止めをかけるのが内局や政治家の役割のはずである。
 周辺諸国との緊張をいたずらに高めることが自衛のためになるのか。計画がそのまま防衛計画大綱に組み込まれるならば、国家としての文民統制(シビリアンコントロール)の根幹が問われる危険な事態に発展する。
 ソ連を脅威と位置付けた北方重視の陸自配備は、東西冷戦の崩壊によって転換を迫られた。米軍も同様だが、自衛隊も常に新たな脅威を意図的にアピールし、軍備増強を図ってきた。脅威を掲げ、沖縄への基地集中につなげる軍事優先の思考回路は変わらない。
 90年代中盤以降、北朝鮮や中国を脅威と位置付けて西方重視を強調した上で、さらに南西諸島重視戦略に転換してきた。防衛省は2011年度からの新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画で島しょ防衛強化を前面に掲げ、宮古、石垣、与那国島に陸自配備を明記し、規模についても一気呵成(かせい)に増やすことをもくろんでいる。
 配備増強の前提となる「脅威」の実態について立ち止まって考えたい。
 そもそも、中国の軍事力増大は海空戦力に傾いており、宮古、八重山の島しょ部に上陸して侵攻する戦闘形態は考えにくい。ミサイル攻撃や空軍力を背景にして押し寄せるなら、陸自の歩兵部隊が抑止力にもなり得ない。陸自大幅増強は、軍事合理性の面からも的確性を欠いているのは明らかだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月23日 (水)

菅政権下の6-11月の沖縄闘争

菅総理は、本日の6/23沖縄慰霊の日に沖縄を訪問しているという。菅は、沖縄戦で亡くなった人への慰霊をする資格があるのか―菅の訪問に対し、街頭から「カン帰れ」の声まで上がったとのこと、慰霊会場でも菅の発言にヤジが飛んだことがネット上では流されている。

辺野古への新基地建設を強行する日米共同声明路線の踏襲を宣言し、日米安保の深化を明言、中国脅威論さえ公言する菅(昨日の党首会見)。この変節をどう見るべきか。ここには、すでに述べてきたように菅政権が「短命」であることさえ見て取れる。

琉球新報の報道によると、ワシントンで開かれている日米安保のシンポで、日米安保の専門家・アーミテージ氏は、「辺野古への新基地建設は相当困難、これ以上、日本政府に難題をもちこまないように」という趣旨の発言をした、という。アメリカ側も、5/28声明の実現が困難であることを認めるということか。菅も昨日の会見で「辺野古の埋め立てについて、特措法の制定は考えていない」というが、いずれにしても、8月末の工法決定・11月のオバマ来日を巡って、沖縄闘争の次なるたたかいが始まる。

そして、このたたかいは、こんどこそ、本土でのたたかいの強力な発展をつくりだすものとしてあるべきだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月17日 (木)

6/20改憲阻止の会「沖縄・日本・安保50年」シンポの案内

6月20の「沖縄・日本・安保50年・シンポジウム」のご案内

6月、最後の反戦集会です。ぜひご参加を。

1、 パネラー
  松本 剛さん(琉球新報政治部長)
  安次富浩(ヘリ基地反対協議会共同代表) 

  高良 勉さん(詩人、批評家)
  金子豊貴男さん(キャンプ座間への第1軍団の移駐を歓迎しない会)
  大波修二さん(基地のない神奈川をめざす県央共闘会議代表)
  土屋源太郎さん(伊達判決を生かす会)
  菅 孝行(評論家)
 *コーディネーター:塩川喜信(「ちきゅう座」運営委員長)
         :布川玲子(山梨学院大学教授)
2、 特別報告
  小西誠さん(軍事批評家)
  国会報告
3、 三線演奏
  太田武二さん

*開催場所
  明治大学リバティータワー1階ホール(アカデミーコモンを変更)
*開催日時
  6月20日(日曜)13時30分~17時まで
///////////////////////////////////////////////////////
以上ですが、引き続き「賛同」(1口1000円で、個人は1口以上、団体は3口以上)
 をお願い致しております。
 電話、ファクス、メール等でお知らせください。
 電話:03ー3356ー9932  ファクス:03ー3356ー9932
 メール:kyujokaikensosi@utopia.ocn.ne.jp
 郵便振込口座:00150-4-742044 (名義)9条改憲阻止の会
 (通信欄に、シンポジウム賛同とお書きください)
//////////////////////////////////////////////////////

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月14日 (月)

6/15のロフト・イベントの案内

明日の、少し変わったイベントですが、ご注目を。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

6/15復活!平野悠の好奇心・何でも聞いてやろう「新左翼って何?」

ロフトの席亭・平野悠が各界の著名人を招いてお贈りする、タブー無き突撃トークセッション! この日、何かが起こる!?

【出演】平野悠(ロフト席亭) / 講師よねざわいずみ(共産趣味者)
【ゲスト】塩見孝也(元赤軍派議長20年の牢獄生活の末出所)/ 小西誠(元反戦自衛官・出版社代表)/ 深笛義也(ライター、全共闘アジテーション指導)

OPEN18:30 / START19:30
前売¥1,300 / 当日¥1,500(共に飲食代別)

前売は電話予約(tel.03-3205-1556)、
ウェブ予約
http://www.loft-prj.co.jp/naked/reservation/
にて受付中。
問:tel03-3205-1556(Naked Loft)

◆中継サイト
【ニコニコ動画 ロフトチャンネル】
http://ch.nicovideo.jp/channel/ch264

【Ustream ロフトチャンネル】
http://www.ustream.tv/channel/loftch

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月 9日 (水)

菅内閣と普天間問題

菅内閣は、発足早々、オバマと会談し、「5/28日米共同声明」路線の踏襲を宣言したが、菅自身の、沖縄基地問題・安保問題の考え方を「沖縄タイムス」が検証している。

これによれば、鳩山とほぼ同様の「米軍駐留なき安保」や普天間の県外・国外移転を、菅も

主張していたということだ。となると、菅自体も「二枚舌」ということになる。

以下、「沖縄タイムス」の論説(2010・6・5)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・民主党の新代表に選ばれた菅直人氏が4日の衆参両院本会議で第94代、61人目の首相に指名された。

(略)

 他方、解決のめどがまったく見えていない普天間問題は、菅首相が日米合意を尊重する意向を早々と打ち出したことで、今後の「迷走」を確定的にしてしまった。

 この問題は自民党政権の積み残しで、一朝一夕に解決できない根深さがあることは誰もが知っている。政権交代後の8カ月で片付けようとした拙速さと手法の稚拙さが鳩山前政権の命取りとなった。

 この失敗から何を学ぶかが新内閣にとって最も大事な視点になるはずだ。

 無批判に日米合意の継承を宣言した菅首相は果たして基地問題を解決する秘策があるのだろうか。民主党が真の意味で再生するには国民との約束を誠実に果たす政治意思と実行力を示せるかどうかにかかっている。

 菅首相は過去に何度も「海兵隊撤退論」を主張した。「常時駐留なき安保」の考えは鳩山前首相と気脈を通じる。

 98年に沖縄で開催した党大会で、党代表だった菅氏は「海兵隊を米領に戻しても日米安保上支障はない。どうしても必要であれば削減して本土へ移転するのも当然だ」と海兵隊の県外・国外移転を打ち出した。

 沖縄の基地問題に関する超党派勉強会の会長に就任した2005年、普天間の辺野古移転について「不可能だ。県外、国外へ移転すべきだ」と発言した。

 日米同盟を維持するにしても在日米空軍と第7艦隊を継続駐留させれば海兵隊が米国へ退いてもアジアの安保環境へダメージを与えない、との論陣を張った。米軍再編を受けた日米交渉で在沖米海兵隊司令部など8000人のグアム移転が決まった後も同じように主張していた。

 ところが鳩山内閣で副総理に就任してからは普天間を含む安保問題について発言を控えていた。

 いまは鳩山前首相による日米合意を継承するという。政治家が「言葉の重み」を顧みなかったことが前内閣の致命傷だった。菅首相も同じ過ちを繰り返すのか。

 地元の名護市は一貫して反対している。辺野古周辺の埋め立ては県知事の認可が必要だが、知事が地元の反対を無視できるはずもない。日米合意を実行するには国が知事から権限を取り上げる強行突破しか打開の道はない。

 「地域主権」を政策の一丁目一番地としている民主党が、国家権力で地域を押しつぶす愚行に走ればこの国の民主主義は死ぬ。外国軍基地の問題で首相が交代し、民主主義を見失う国はおかしい。

 普天間問題で政府が説得する相手は沖縄ではなく米政府であるはずだ。鳩山前首相はそれを怠ったため、国民は民主党に失望した。

 普天間をめぐる鳩山内閣の迷走を「無意味な8カ月」にしてほしくない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月 6日 (日)

菅新政権の5/28日米共同声明の継承と今後の大衆運動の課題

かつての、そして現在までたたかわれている三里塚闘争などを見ると、沖縄どころか日本本土にも新しい軍事基地など建設できないことは、戦後の政治闘争の歴史を少しでも知れば理解できるはずだが、鳩山政権とその閣僚に続き、菅新「首相」(鳩山政権の副総理だが)もまた、5/28日米共同声明を継承するという。そして、本日の報道では、オバマとの電話会談でそれを確認したという。

自民党政権でさえ、15年も辺野古新基地建設をできなかった。それを菅政権が「実力で強行する」というのか。この人たちは政治的判断力を少しでも持っているのか。そう思っているとしたら、「愚か者」としか言いようがない。

「愚か者」は、アメリカ・オバマも同じといえる。この電話会談をはじめ、アメリカ・オバマ政権も何度もこの5/28声明路線の確認を求めている(ゲーツ国防長官発言など)。が、ロードマップでいう2014年どころか、何十年とたっても沖縄に新基地建設ができるというのか。

新基地建設の方法は、ただ一つしかない。沖縄を屈服させ、実力で基地建設を強行するということだ。「流血の沖縄」―これを菅民主党政権にできるわけがない。しかし、5/28声明を作成した、外務・防衛の官僚どもは、この「流血の沖縄」を覚悟しているのだろう。言い換えると、この「流血の沖縄」を実現する新政権(菅政権後の)の登場を、官僚どもはにらんで5/28声明をつくったということか。

このように問題をたてると、鳩山政権後の、5/28声明後の沖縄・安保闘争の基本的課題は明確になる。つまり、「流血の沖縄」に行き着く前に、本土、ヤマトで、沖縄に本当に連帯する「第三次安保闘争」を実現できるかどうか―これが、この6月から秋以降の大衆運動の課題である。

そして、その大衆運動の「現実的・具体的目標」は、意見広告運動でも掲げられたように、「安保破棄」でも、「安保粉砕」でもない。「海兵隊の沖縄・本土からの全面撤退」である。

(沖縄の民意を無視した、つまり、民主主義をも無視した5/28声明の強行を考えると、民主党政権の「民主主義」はひどいものだが。)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月 5日 (土)

変革のアソシエ「安保・沖縄特別講座」ご案内

    お知らせです。
『日米安保再編と沖縄―最新沖縄・安保・自衛隊情報』の刊行を記念して、下記のように、「変革のアソシエ」の特別講座(第2回)を開始しますので、ぜひご参加ください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●変革のアソシエ「安保・沖縄特別講座」PARTⅠ
 *日米安保体制の現在と新たな反安保論の形成に向って
    ――米軍普天間飛行場移設の根本問題とはなにか?

★第2回 6月12日(土) 1500~1700
  ―日米安保再編と自衛隊の沖縄重視戦略―

 テキスト:小西誠著『日米安保再編と沖縄』(社会批評社、2010年4月刊)

 ●講師 小西 誠(軍事問題研究家・米兵自衛官人権ホットライン事務局長)
  著書:『自衛隊そのトランスフォーメーション』『日米安保再編と沖縄』(社会批評   社)ほか。

 ●場所 東京中野・協働センター・アソシエ
   東京都中野区中野2-23-1 ニューグリ-ンビル309号
    中野駅南改札口1分
    電話 03-5342-1395 ファックス 03-6382-6538

●その他の2010年の予定
[1](5月22日)  冷戦後の日米安保体制を検証する
[2](6月12日) 日米安保再編と自衛隊の沖縄重視戦略
[3](7月10日) 日米安保体制の再編と沖縄海兵隊
[4](9月18日) アメリカのアジア太平洋戦略と日米安保体制
[5](10月16日)新たな反安保論の形成に向かって
―――――――――――――――――――――――――――――
◎受講生募集◎
【受講料】
 講座は、全5回 5000円。各回の当日参加は、1回1,000円、非正規労働者や学生などは講座で決めます(1回ごとの参加も可)。

【申込方法】
講座名、郵便番号・住所・氏名・電話・FAX番号・電子メールアドレス(必須)を明記し、ゆうちょ銀行の「払込取扱票」またはFAX、葉書、電子メールアドレスにてお申し込みください(当日の申込可)。

【支払方法】
 ゆうちょ銀行の払込取扱票「口座番号:00120―3―567753」、「加入者名:アソシエ(略称)」にて受講料を一括でお支払いください。
「払込取扱票」に講座名・申込者氏名・連絡先住所・電話番号・FAX番号・電子メールアドレス(必須)などの必要事項を記載してください。
当日支払いも可。
詳細は、下記のサイトで。
http://homepage3.nifty.com/associe-for-change/study2009/study.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鳩山民主党政権は、この間、米軍普天間飛行場移設問題に対して、沖縄民衆の意志を実現する方向へと向わずに、「移設先探し」という政治の技術論に終始してきた。
しかし、普天間移設問題で問われているのは、「沖縄の米海兵隊をどうするのか」、「米軍基地をどうするのか」、「冷戦後の日米安保をどうするのか」ということである。
つまり、根本にあるのは、「今日のアジア情勢の中で沖縄の米海兵隊は本当に必要なの」、「日米安保体制はこのままでいいのか」ということ、すなわち、日米安保体制の今日の在り方について、根本的な見直しが問われている。

本講座は、米軍普天間飛行場移設問題を手掛かりに、沖縄米海兵隊の存在の是非を論じ、日米安保体制の今日の在り方とその存在の是非をめぐる問題を根本的に議論する。そして、新たな反安保論の構築を模索する。なお、各回の講義予定は、変更する場合がある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«6/3 許すな 米国のいなりの「日米共同声明」―止めよう 民意を踏みにじる辺野古新基地強行